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マイマイ新子 高樹のぶ子 [本]

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舞台は昭和30年代の山口県防府市国衙。かつて周防の国府がおかれた防府市で育った作者の自伝的小説だ。新子は額にツムジのある9歳の女の子。ちょっとしたことに興味を持ち、近所の男の子たちと防空壕に冒険に行ったり、じいちゃんに造ってもらった秘密のハンモックで空を見ることが大好きだったりする。

新子のマイマイ(つむじ)は、びっくりした時も、悲しい時も反応し髪の毛が立ってしまう。そんなマイマイが反応したエピソードを26章にまとめているが、私が好きなのはタツヨシのお父さんが自殺し、お父さんが騙されたというキャバレー「カリフォルニア」の女の人にカタキウチしようと、タツヨシと二人で出掛けるエピソード。子供にとって人の死は重いテーマだと思うが、新子は今の子供たちと違い、わからないなりに短期間で乗り越えていっている気がする。

この小説のタイトルは児童文学のようだけど、けっして子供の読む本ではない。また昭和のノスタルジーを味わうための本でもない。すべてが前に向かって進んでいた高度成長期のひたむきさは、今の時代に行き場をなくした若い人に読んでほしい。活字離れの現状はどうにもできないが、幸いこの小説は「マイマイ新子と千年の魔法」のタイトルでアニメ映画として公開されている。

映画は近年のアニメとしては奇跡的なほどの出来で、かつての輝きを無くしてしまったスタジオジブリの公開中の映画を見るくらいなら、DVDも出ているので、ぜひこちらを見てほしい。小説を見るのが無理でも、映画なら難しくないだろうと思う。それで何かを感じてもらえれば、私もうれしいです。

映画「マイマイ新子と千年の魔法」公式サイト⇒ http://mai-mai.jp/top.html


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