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青の時代 三島由紀夫 [本]

この小説の主人公のモデルは、戦後間もない昭和二十四年に起きた、「光クラブ事件」 の高金利金融会社「光クラブ」 の社長、山崎晃嗣。東大在学生だった彼は、やがて物価統制令法違反等で逮捕され、事業は破綻、青酸カリ自殺をとげ事件は終わる。

三島は主人公、川崎誠の生い立ちを、少年期から深層心理まで追求していくが、父との確執から始まり、普通とは思えない自意識、ある種、変質的と思える女性観は、やがて、モラルの欠如を伴った金融会社の設立に手を染めていくことになる。三島はこの主人公を時に突き放し、医者がカルテから病を探るかのように、独特の表現で、彼の姿をX線写真のように鮮やかに描き出す。

平成十八年暮れ、経済界最大の事件「ライブドア・ショック」を見つめ直すには格好の題材。投資家の私も投資スタンスの転換を迫られたこの事件を時間がたった今、冷静に考えてみたいと思う。


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